「Chromebookって安いし、起動も速いって聞くけど、実際どうなの？」 「買って後悔しないか不安…」
そんな疑問や不安をお持ちではありませんか？ Chromebookは、特定の用途においては非常に優れたデバイスですが、万能ではありません。使い方によっては「こんなはずじゃなかった…」と後悔してしまう可能性も。特に、従来のWindows PCやMacと同じような使い方を想定していると、思わぬ落とし穴にはまることがあります。
この記事では、あえて「Chromebookをおすすめしない」視点から、その具体的な理由や購入前に知っておくべきデメリット、注意点を詳しく、そして深く掘り下げて解説します！
Chromebookをおすすめしないと言われる理由は？購入前に知るべき注意点
Chromebookの購入を検討する際に、最も注意すべきはその「できないこと」や「制限」です。これらを理解しないまま従来のパソコンと同じ感覚で購入すると、「安物買いの銭失い」になりかねません。具体的にどのような点がデメリットとなり得るのか見ていきましょう。
- Windows/Mac用ソフトが動かない互換性の壁
- Excel（デスクトップ版）の完全な代替は難しい
- ストレージ容量や性能の限界
- プリンターなど周辺機器が使えない可能性
- 「買って失敗した」と感じる主な原因
Windows/Mac用ソフトが動かない互換性の壁
これがChromebook最大の弱点であり、「おすすめしない」と言われる最も大きな理由です。仕事や趣味で特定のソフトウェアを使っている場合、それがChromebookで動作しない可能性は非常に高いです。
- 具体例: Microsoft Officeのデスクトップ版（Word, Excel, PowerPointの高機能版）、Adobe Creative Cloud（Photoshop, Illustrator, Premiere Proなど）、CADソフト、会計ソフト（弥生会計など一部クラウド版は対応）、多くのPCゲーム（Steamで配信されているようなタイトル）などは、基本的にインストールすらできません。
- 代替手段の限界: Web版アプリ（Office Onlineなど）やAndroidアプリ（一部のAdobeアプリなど）が提供されている場合もありますが、機能が大幅に制限されていたり、操作感が大きく異なったり、動作が不安定だったりすることが少なくありません。特に、複雑なマクロやVBAを使用するExcelファイル、高解像度の画像編集、本格的な動画編集などは、代替アプリでは対応困難です。
Excel（デスクトップ版）の完全な代替は難しい
ビジネスシーンで多用されるExcelですが、Chromebookでデスクトップ版と全く同じように使うことはできません。
- Web版Excel: 無料で利用でき、基本的な関数やグラフ作成は可能ですが、マクロ（VBA）の実行・編集はできません。また、複雑な数式や大量のデータを含むファイルの動作が重くなることがあります。
- Android版Excel: タブレットライクな操作感で、機能もデスクトップ版より制限されます。特に、キーボードとマウスでの操作性はデスクトップ版に劣ります。
- Googleスプレッドシート: 互換性は向上していますが、Excel独自の関数やマクロ、複雑な書式設定などは再現できない場合があります。共同編集機能は強力ですが、Excelファイルをそのままの形で編集・保存したい場合には不向きです。Excelでの作業が業務の中心である場合、Chromebookは避けるのが賢明です。
ストレージ容量や性能の限界
Chromebookは、データを主にGoogleドライブなどのクラウドストレージに保存することを前提としているため、本体のストレージ容量（eMMCやSSD）が少ないモデルが多いです（例: 32GB, 64GB, 128GB）。
- 容量不足のリスク: Androidアプリを多数インストールしたり、オフラインで利用したいファイル（動画、写真など）を保存したりすると、すぐに容量が逼迫する可能性があります。特に、動画編集を試みる場合などは、素材データだけで容量を使い切ってしまうことも考えられます。
- 性能の限界: 安価なモデルに搭載されているCPU（CeleronやMediaTek製など）は、基本的なWebブラウジングや文書作成には十分ですが、複数のタブを開きながら作業したり、高画質な動画を再生したり、少し凝った画像編集をしたりすると、動作がカクついたり、フリーズしたりすることがあります。高性能なCPU（Core iシリーズなど）を搭載したモデルもありますが、価格が上がり、Windows PCとの価格差が縮まってしまいます。
プリンターなど周辺機器が使えない可能性
すべての周辺機器がChromebook（ChromeOS）に正式対応しているわけではありません。特に、少し古いモデルのプリンターやスキャナー、特殊なUSBデバイス（特定の測定器や専用ドングルなど）は、接続しても認識されなかったり、基本的な機能しか使えなかったりする場合があります。
- 確認の重要性: メーカーのウェブサイトでChromeOSへの対応状況を確認することが重要です。特に、複合機のスキャン機能や両面印刷機能などが、Chromebookからだと利用できないケースがあります。CUPS（Common UNIX Printing System）に対応しているプリンターであれば接続できる可能性はありますが、設定がやや煩雑になることもあります。
「買って失敗した」と感じる主な原因
実際にChromebookを購入して「失敗した」「使えない」と感じた人の声を集約すると、以下のような原因が挙げられます。
- ソフトウェアの非互換: 「あのソフトが使えないなら意味がなかった」「代替アプリでは仕事にならない」
- 性能不足: 「タブをたくさん開くと固まる」「簡単な動画編集すらまともにできない」
- Excelの機能制限: 「マクロが動かないのは致命的」「会社のExcelファイルが 正しく開けない」
- 周辺機器の問題: 「家のプリンターが使えなかった」「専用のUSB機器が認識しない」
- Windowsとの違い: 「ファイル管理の感覚が違いすぎる」「今までできていたことができなくてストレス」
これらの多くは、購入前にChromebookの特性と自身の利用目的をしっかり照らし合わせていれば防げた可能性のあるミスマッチです。
それでもChromebookが選択肢になる場合
一方で、Chromebookはその特性を理解し、用途が合致すれば非常に便利なデバイスです。どのような場合にChromebookが輝くのか、そしてWindows PCとどう違うのかを見ていきましょう。デメリットを理解した上で、メリットが上回るケースもあります。
- Chromebookはどんな人にならおすすめ？
- Windows PCとの違いを理解する
- おすすめのChromebookは？選び方のヒント（具体例あり）
- 「情弱向け」ではなく「用途限定」デバイス
- なぜ「流行らない」と言われるのか？
- サブ機や教育用途としての価値
- シンプルさとセキュリティの高さを求めるなら
Chromebookはどんな人にならおすすめ？
以下のような使い方であれば、Chromebookは非常にコストパフォーマンスが高く、満足度の高い選択肢となり得ます。
- Web利用が中心: ネットサーフィン、YouTubeやNetflixなどの動画視聴、SNS（Twitter, Facebook, Instagramなど）のチェック、ブログの閲覧・執筆などが主な用途。
- Googleサービスヘビーユーザー: Gmail、Googleカレンダー、Googleドキュメント、スプレッドシート、Googleフォト、Googleドライブなどを日常的に活用している。これらのサービスとの連携は抜群です。
- ライトな文書・資料作成: レポート作成、簡単な議事録作成、家計簿入力など、高度な機能を使わない範囲でのオフィス作業。
- サブ機として: メインのWindows/Mac PCを持っており、持ち運び用やリビングでのちょっとした調べ物用として。起動が速いのですぐに使えます。
- 教育用途: GIGAスクール構想で導入が進んでいるように、子供の学習用端末として。管理が容易で、セキュリティも高く、安価な点が評価されています。
- シンプルさ・手軽さを重視する人: 複雑な設定やウイルス対策の手間から解放されたい、とにかく簡単に使えるパソコンが欲しいというニーズに応えます。
Windows PCとの違いを理解する
改めて、ChromebookとWindows PCの主な違いを表で確認しましょう。どちらが良い・悪いではなく、特性が異なることを理解するのが重要です。
| 比較項目 | Chromebook | Windows PC |
|---|---|---|
| 価格 | 安価なモデルが多い (2万円台～) | 価格帯が広い (数万円～数十万円) |
| 起動速度 | 速い (数秒～十数秒) | 機種による (SSDなら速いがChromebook程ではないことも) |
| 操作性 | シンプル、簡単 | 多機能、やや複雑 |
| ソフトウェア | Webアプリ/Androidアプリ中心、互換性低い | 豊富なデスクトップソフトが利用可能 |
| Office互換性 | (Web版/アプリ版、機能制限あり) | (デスクトップ版、完全互換) |
| オフライン | (制限あり、ネット接続推奨) | (基本的に問題なし) |
| セキュリティ | (ウイルス対策ソフト不要、自動更新) | (Windows Defender、手動更新の場合も) |
| ストレージ | 少なめ (クラウド中心) | 多め (ローカル保存中心も可) |
| 性能 | 控えめなモデルが多い | 幅広い (低価格～高性能まで) |
| バッテリー | 比較的良好なモデルが多い | 機種による |
おすすめのChromebookは？選び方のヒント（具体例あり）
特定の「この一台」を断言するのは難しいですが、人気があり評価の高いモデルや選び方のポイントをいくつか紹介します。
- Lenovo IdeaPad Slim 3 Chromebook Gen 8: 14インチディスプレイを搭載したクラシックなノートPC型。手頃な価格ながら、日常的な作業には十分な性能を持つモデルが多く、コストパフォーマンスに優れています。シンプルなデザインも魅力です。 Lenovo IdeaPad Slim 3 Chromebook Gen 8の製品ページへ
- ASUS Chromebook CX14 (CX1405): こちらも14インチのノートPC型。ASUSらしいスタイリッシュなデザインと、モデルによっては十分な性能を持つCPUを搭載。インターフェースも充実している傾向があり、使い勝手の良い一台です。 ASUS Chromebook CX14 (CX1405)の製品ページへ
- HP Chromebook Plus x360 14: 360度回転ヒンジを持つコンバーチブルタイプで、「Chromebook Plus」認定モデル。通常のChromebookよりも高性能なCPU、メモリ、ストレージ、高解像度カメラなどを搭載し、より快適な動作と高度な機能（AI機能など）を利用できます。メイン機としても検討できるスペックです。 HP Chromebook Plus x360 14の製品ページへ
- 選び方のポイント:
- CPU: Celeron/Pentiumは軽作業向け、Core i3/Ryzen 3以上なら比較的快適。
- メモリ: 最低4GB、できれば8GBあると複数のタブやアプリを開いても安定しやすい。
- ストレージ: 64GB以上、Androidアプリやオフラインファイルを多用するなら128GB以上推奨。
- 画面: サイズ（11～15インチ）、解像度（Full HD推奨）、タッチ対応の有無。
- 形状: クラシックなノートPC型、画面が回転するコンバーチブル型、キーボード着脱式型。 レビューサイトや家電量販店で実機を触ってみて、自分の用途や予算に合ったものを選ぶのがベストです。
ポチップ
「情弱向け」ではなく「用途限定」デバイス
「Chromebookはパソコンに詳しくない人（情弱）向けだ」という見方がありますが、これは正確ではありません。操作がシンプルで、セキュリティ管理の手間が少ないのは事実ですが、それは「機能が劣っている」のではなく、「特定の用途に最適化されている」結果です。
Webサービスを使いこなし、クラウド中心のワークフローを構築しているユーザーにとっては、むしろWindows PCよりも効率的な場面すらあります。重要なのは、その「限定された用途」が自分の使い方に合っているかどうかです。
なぜ「流行らない」と言われるのか？
日本市場でChromebookが爆発的に普及しない背景には、いくつかの要因があります。
- Windows文化の根強さ: 長年にわたり、日本のPC市場はWindowsが圧倒的なシェアを占めてきました。多くの企業や個人ユーザーがWindows環境とMicrosoft Officeに慣れ親しんでおり、既存のソフトウェア資産や操作感を捨ててまで移行するメリットを感じにくい状況があります。
- ソフトウェア互換性の壁: 上述の通り、特定の業務ソフトやクリエイティブソフトが使えない点は、特にビジネスユーザーやクリエイターにとって大きな障壁となります。
- 「パソコン＝何でもできる」という期待: 多くのユーザーは、パソコンに対して「これ一台あれば何でもできる」という期待を持っています。Chromebookの「できること・できないこと」が明確な点が、逆に物足りなさを感じさせる一因になっている可能性があります。
- マーケティングと認知度: GIGAスクール構想で教育市場での認知度は高まりましたが、一般消費者向けのマーケティングはまだ限定的で、「Chromebookとは何か」が十分に理解されていない側面もあります。
サブ機や教育用途としての価値
メインのWindows/Mac PCを持っているユーザーが、外出先での簡単な作業やブラウジング用に2台目としてChromebookを選ぶケースは増えています。軽量・安価・バッテリー長持ち・起動が速いといったメリットが、サブ機としてのニーズに合致するためです。
教育現場では、管理の容易さ、セキュリティの高さ、Google Workspace for Educationとの親和性から、導入が進んでいます。これらの「割り切った使い方」においては、Chromebookは非常に優れた選択肢です。
シンプルさとセキュリティの高さを求めるなら
「パソコンは難しくてよくわからない」「ウイルスが心配」と感じているユーザーにとって、Chromebookは魅力的な選択肢です。
- シンプルな操作: OSのインターフェースはChromeブラウザに近く、直感的に操作できます。複雑な設定項目も少なく、初心者でも扱いやすいです。
- 強固なセキュリティ: ChromeOSはサンドボックスと呼ばれる仕組みでアプリを隔離し、OS自体も自動で最新版にアップデートされるため、従来のウイルス対策ソフトは基本的に不要です。フィッシング詐欺対策なども組み込まれています。この手軽さと安心感は、大きなメリットと言えるでしょう。
まとめ：後悔しないための最終チェック
Chromebookは、安価で手軽、セキュリティも高く、特定の用途には最適なデバイスです。しかし、それはあなたの使い方に合っていればの話。WindowsやMacのパソコンと同じように使えるわけではありません。
「安いから」「起動が速いから」という魅力的な点だけで判断せず、購入ボタンを押す前に、以下の点を自問自答してみてください。
- 普段パソコンで何をしているか？（具体的な作業内容をリストアップ）
- 絶対に譲れない機能やソフトウェアは何か？（それがChromebookで実現できるか確認）
- インターネット環境は常に整っているか？（オフラインでの利用頻度は？）
- どのくらいの性能が必要か？（Web閲覧だけ？動画編集もしたい？）
- データはどこに保存したいか？（クラウド？ローカル？）
これらの問いに明確に答え、Chromebookのメリット・デメリットを十分に理解した上で、「自分の使い方なら大丈夫！」と確信できれば、Chromebookは素晴らしい相棒になるでしょう。逆に、少しでも不安要素が残るなら、無理にChromebookを選ぶ必要はありません。
この記事が、あなたの最適なデバイス選びの一助となれば幸いです！