ノートPCの冷却台って本当に意味がない?効果と選び方のウソホント

「ノートPCの冷却台って、本当に効果があるの?」「ノートPCの冷却台は意味がないって聞くけど、実際のところどうなんだろう…」なんて思っていませんか。確かに、期待したほどの効果を感じられなかったり、使い方によってはあまり意味がなかったりすることもあるかもしれません。

でも、一概に「意味がない」と切り捨ててしまうのは、ちょっと待ってください!ノートPCの冷却台は、使い方や選び方次第で、あなたのPCライフを快適にしてくれる頼れるアイテムになる可能性を秘めているんです。

この記事では、「ノートPCの冷却台は意味がない」と感じる理由から、実は効果的なケース、そして賢い選び方まで、わかりやすく解説していきます!

目次

ノートPCの冷却台は意味がないってホント?その理由を探る

出典:Cooler Master

ノートPCの冷却台は意味がないという声が聞かれるのには、いくつかの理由が考えられます。どんな場合に効果を実感しにくいのか、一緒に見ていきましょう。

PCのスペックや使い方によっては効果が薄い?

PCのスペックや使い方によっては効果が薄い?
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お使いのノートPCのスペックが比較的低く、そもそもあまり発熱しないような使い方をしている場合、冷却台を使っても大きな変化を感じにくいかもしれません。例えば、ウェブサイトの閲覧、メールチェック、Officeソフトでの簡単な書類作成といった軽作業がメインであれば、CPU(中央演算処理装置)やGPU(画像処理装置)への負荷は小さく、発熱量も知れています。

事務作業向けのCeleronプロセッサー搭載機や、グラフィック処理を多用しないエントリーモデルなどがこれに該当しやすいです。こういったPCでは、内部温度が危険な領域に達することは稀で、冷却台が介入して温度を下げる余地が少ないため、「使っても変わらない」と感じやすいのです。冷却台の主な役割は、高負荷時の熱暴走を防いだり、性能低下を緩和したりすることなので、日常的な負荷が低いPCでは、その恩恵を感じにくいのは自然なことと言えるでしょう。

PCの吸排気口の位置と冷却台の相性が悪い

PCの吸排気口の位置と冷却台の相性が悪い
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ノートPCには、内部の熱を効率よく逃がすために、空気を取り込む「吸気口」と、熱い空気を排出する「排気口」が設けられています。冷却台のファンが、この吸気口に的確に風を送れていない場合や、逆に排気口を塞いでしまうような位置関係にあると、冷却効果は半減、あるいは逆効果にさえなりかねません。多くのノートPCは底面に吸気口があり、側面や背面、ヒンジ部分などに排気口がありますが、薄型モデルやデザイン重視のモデルでは、キーボード面から吸気するタイプや、非常に小さなスリットしかない場合もあります。

ご自身のPCのどこから熱い空気が出て、どこから新しい空気を取り込んでいるのかを正確に把握し、それに合った形状やファン配置(大型ファンで広範囲をカバーするか、小型ファンでピンポイントに狙うかなど)の冷却台を選ぶことが非常に重要です。例えば、底面全体がフラットで吸気口が小さいPCに、中央に大型ファンが一つだけある冷却台を組み合わせても、十分な風が届かない可能性があります。

冷却台自体の冷却性能が低い

冷却台自体の冷却性能が低い
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残念ながら、市場に出回っている冷却台の中には、ファンの風量が極端に弱かったり、空気の流れを考慮した設計がされていなかったりして、十分な冷却性能を発揮できない製品も存在します。特に安価な製品や、デザイン性のみを追求したものの中には、冷却効果がおまけ程度ということも少なくありません。これでは「意味がない」と感じてしまうのも無理はないでしょう。

購入前には、ファンの回転数(RPM)や風量(CFM:Cubic Feet per Minute、立方フィート/分)といったスペックを確認することが大切です。一般的にCFM値が大きいほど冷却能力は高いとされますが、騒音とのバランスも考慮が必要です。また、冷却台の材質も影響し、アルミニウムなどの金属製は放熱性が高く、プラスチック製よりも冷却効果が期待できる場合があります。レビューを参考にする際は、具体的な使用PCや環境、温度変化などが記載されているかを確認し、極端に評価が高いだけのものは慎重に判断しましょう。

期待する効果が大きすぎるのかも

期待する効果が大きすぎるのかも
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冷却台を使ったからといって、ノートPCの温度が劇的に何十度も下がるわけではありません。一般的には、高負荷時に数度程度の温度上昇を抑える、あるいは温度上昇のカーブを緩やかにするといった効果が期待できる範囲です。例えば、通常85℃まで上昇するCPU温度が、冷却台使用で80℃に抑えられる、といった具合です(これはあくまで一例で、PCの機種や使用環境により効果は大きく異なります)。

「冷却台を使えばPCがキンキンに冷える」といった魔法のような効果を期待していると、肩透かしを食らうかもしれません。冷却台はあくまでPC本体の冷却システムを補助する役割と捉え、PCが持つ冷却能力を最大限に引き出すサポートアイテムだと理解しておくと、過度な期待による失望を防げます。

PC内部のホコリが原因かも

PC内部のホコリが原因かも
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長年使用しているノートPCの場合、内部の冷却ファンやヒートシンク(放熱板)のフィン(羽根)の間にホコリがびっしりと溜まっていることがあります。ホコリは空気の流れを著しく妨げ、断熱材のような役割も果たしてしまうため、PC本来の冷却性能を大きく低下させます。

この状態で冷却台を使っても、根本的な熱源の冷却効率が悪いため、冷却台の効果も限定的になり、「意味がない」と感じてしまう可能性があります。まずは、エアダスターでホコリを吹き飛ばしたり、可能であればPCの裏蓋を開けて内部を丁寧に清掃したりすることを検討しましょう。定期的な内部クリーニングは、冷却性能を維持する上で非常に重要です。その上で冷却台を使用すれば、相乗効果が期待できるはずです。

冷却台の設置方法や環境が適切でない

冷却台の設置方法や環境が適切でない
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冷却台を効果的に使うためには、その設置方法や周囲の環境も重要です。例えば、布団の上や毛布の上、柔らかいソファの上など、通気性の悪い場所に冷却台ごとPCを置いてしまうと、冷却台自体のファンが新鮮な空気を吸い込めず、冷却効果が著しく低下します。

冷却台は、硬くて平らな、安定した場所で使うのが基本です。また、冷却台の吸気口が壁際や物で塞がれていないか、周囲の空気の流れが滞っていないかも確認しましょう。室温が高い環境では、冷却台を使ってもPCの温度を十分に下げられないこともあります。エアコンで室温を適切に管理したり、扇風機で空気の循環を促したりすることも、間接的に冷却効果を高めるのに役立ちます。

実はノートPC冷却台が意味ある!効果的なケースと選び方

出典:サンワサプライ

一方で、「ノートPCの冷却台は意味がない」という意見に反して、冷却台が非常に役立つ場面もたくさんあります。どんな時に効果を発揮するのか、そして後悔しない選び方のポイントを見ていきましょう。

高負荷な作業を長時間続けるなら効果大!

高負荷な作業を長時間続けるなら効果大!
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4K動画編集、最新の3Dオンラインゲームのプレイ、複雑なプログラムのコンパイル、大規模なデータ解析、3D CADモデリングなど、CPUやGPUに極めて高い負荷がかかる作業を長時間継続して行う場合、ノートPCは必然的に大量の熱を発生させます。このような状況では、PC内部の温度が急上昇し、「サーマルスロットリング」という保護機能が作動して、CPUやGPUの動作クロックを意図的に下げ、性能が著しく低下することがあります。

最悪の場合、突然シャットダウンしてしまうことも。冷却台を使用することで、このような高負荷時におけるPC内部の温度上昇を効果的に抑制し、サーマルスロットリングの発生を遅らせたり、軽減したりすることで、安定したパフォーマンスの維持に貢献します。特に薄型・軽量ノートPCは冷却システムが限られているため、その恩恵は大きいです。

PCの寿命を少しでも延ばしたいあなたに

PCの寿命を少しでも延ばしたいあなたに
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PC内部の電子部品、特にCPU、GPU、マザーボード上のコンデンサ、そしてバッテリーなどは、高温状態に長時間さらされると劣化が早まり、寿命を縮める大きな原因となります。例えば、バッテリーは熱によって化学反応が促進され、蓄電能力が低下しやすくなります。

半導体チップも、高温下では故障のリスクが高まります。冷却台を使ってPCの温度を適切に保つことは、これらの精密部品への熱ストレスを軽減し、結果的にPC全体の寿命を少しでも延ばすことに繋がるのです。大切なPCと少しでも長く、快適に付き合いたいと考えるなら、冷却という観点からの投資は十分に価値があります。修理費用や買い替えサイクルの延長といった経済的なメリットも期待できるかもしれません。

夏場の暑い部屋での作業が多いなら

夏場の暑い部屋での作業が多いなら
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気温が高い夏場は、室温自体がPCの冷却にとって不利な条件となります。特にエアコンがあまり効かない部屋や、西日が強く差し込む部屋、風通しの悪い場所でノートPCを使用する場合、PC内部の温度は通常よりも上昇しやすくなります。このような環境では、冷却台がPCの熱だまりを防ぎ、安定動作をサポートする心強い味方となってくれるでしょう。

PCから排出される熱気は、作業空間の温度をさらに上昇させる要因にもなり得ますが、冷却台によってPCの発熱を抑えることは、作業しているあなた自身の不快感を軽減し、集中力を維持することにも繋がります。テレワークなどで自宅での作業時間が増えている方にとっては、より重要なポイントと言えるでしょう。

タイピングしやすくなるという副産物も

タイピングしやすくなるという副産物も
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多くの冷却台には、数段階の角度調整機能が備わっています。これを利用すれば、ノートPCのキーボード面に適切な傾斜をつけることができ、タイピング時の手首や肩への負担を軽減する効果が期待できます。人間工学的に見て、フラットな面に置かれたノートPCのキーボードは、長時間の使用で疲れやすい姿勢になりがちです。

冷却台で適切な角度をつけることで、より自然な姿勢でタイピングできるようになり、視線も若干上がるため、猫背の改善にも繋がるかもしれません。冷却という本来の目的以外にも、このようなエルゴノミクス面でのメリットは、日常的に長時間PC作業を行うユーザーにとっては非常に嬉しいポイントです。中には、USBハブ機能や小物入れスペースを備えた多機能なモデルもあり、デスク周りの利便性向上にも貢献します。

冷却台選びのポイント:ファンの位置と数、静音性

冷却台選びのポイント:ファンの位置と数、静音性
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効果的な冷却台を選ぶためには、いくつかの重要なポイントがあります。まず、お使いのノートPCの底面にある吸気口の位置を正確に把握し、その部分に効率よく風を送れるファン配置の製品を選ぶことが最も重要です。大型ファンが1基搭載されたタイプは広範囲を均一に冷却しやすいですが、PCの発熱箇所が偏っている場合は、小型ファンが複数搭載され、特定の部分を狙って冷却できるタイプが有効なこともあります。

ファンの数が多いほど冷却効果が高いとは限りませんが、冷却したい範囲をカバーできるかがポイントです。次に、ファンの静音性も非常に重要です。いくら冷却効果が高くても、ファンの回転音が大きすぎると作業に集中できず、ストレスの原因になります。製品によっては騒音レベルがdB(デシベル)値で記載されているので、参考にしましょう。一般的に20dB程度までなら静かと感じやすいです。ファンコントロール機能(回転数調整)が付いていれば、冷却能力と静音性のバランスを自分で調整できるため便利です。

冷却台以外の熱対策との合わせ技も有効

冷却台以外の熱対策との合わせ技も有効
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ノートPCの冷却は、冷却台だけに頼るのではなく、複数の対策を組み合わせることで、より効果を高めることができます。例えば、前述したPC内部の定期的なホコリ清掃は基本中の基本です。OSの電源オプションで「省電力」や「バランス」といったパフォーマンス設定を見直し、不必要な高負荷状態を避けることも有効です。

また、直射日光が当たる場所での使用を避けたり、ノートPCの底面と設置面の間に隙間を作る専用の小さなゴム足のようなスタンドを利用したりするだけでも、通気性が改善され、放熱効果が期待できます。室温自体を下げる(エアコンや扇風機の活用)ことも重要です。

ソフトウェア面では、バックグラウンドで不要に動作しているアプリケーションやプロセスをタスクマネージャーで確認し、終了させる習慣をつけることも、CPU負荷を軽減し発熱を抑えるのに役立ちます。上級者向けにはなりますが、CPUグリスや熱伝導シートの交換といったメンテナンスも、冷却性能の回復・向上に繋がることがあります。このように、多角的なアプローチで熱対策を施すことが、快適なPC環境を維持する秘訣です。

まとめ:ノートPCの冷却台は本当に意味がない?効果と選び方のウソホント

これまでノートPCの冷却台について、さまざまな角度からお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか。

ノートPC冷却台は、万能な解決策ではありません。しかし、PCの使い方や環境、そして製品の選び方によっては、PCのパフォーマンス維持や長寿命化、作業環境の改善に役立つ便利なアイテムです。

「意味がない」と決めつけてしまう前に、ご自身のPC環境や使い方を見直し、この記事で紹介したポイントを参考に、最適な冷却台、あるいは冷却方法を探してみてはいかがでしょうか。きっと、あなたのPCライフがより快適になるはずです。

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